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森英恵と家族の愛とは。森泉さんが語る、“ママ森”との思い出
森英恵と家族の愛とは。森泉さんが語る、“ママ森”との思い出
2024.01.12

2022年8月11日に亡くなった、HANAE MORIの創業者であり、日本を代表するファッションデザイナーの森英恵氏(享年96歳)。英恵氏を中心とする森家の絆は深く、3世代に渡りその信念は脈々と受け継がれている。
今回は、英恵さんの孫でありファッションモデル・タレントの森泉さんに、英恵氏こと、“ママ森”についてお話を伺った。

――英恵さんは、泉さんにとってどんな存在でしたか?
「ママ森は森家の中心人物で、みんなのことをまとめてくれていました。ファミリーの要的な存在です。特に私は、ママ森と話すととても安心するんです。それは祖母としてということだけでなく、仕事の面でも刺激をくれる方だったので、仕事のこともたくさん相談していました」

――悲しいという気持ちはありますか?
「一家の相談役のようなお役目もあったので、最初は『どうしよう・・・』という気持ちもありましたが、家族の間でママ森に言われたことをいまだによく話すんです。だから悲しいというよりは、家族みんなそれぞれの中にママ森がまだいてくれているという感覚があります」



――泉さんはどんなことを言われたんですか?
「たくさんあって、選べないほどなのですが……。ママ森って本当にすごくて、まだ女性がそこまで社会進出していない時代に、ひとりで海外へ行ってファッションという厳しい世界で挑戦したり、起業をしたりしていたのでとても大変だったと思うんです。でも、昔の苦労話や人の悪口を言っているところを聞いたことがないんです。なので一度、『もっと愚痴とか言ってもいいんじゃない?』と言ったことがあったんです。
そのときママ森に言われたのが、『私は綺麗なものを作っているから、ネガティブなことは言わないようにしているの』という言葉。その言葉はすごく印象に残っています」

――素敵ですね。泉さんはオートクチュールのコレクションでモデルとしても出演されていましたが、そのときは何か英恵さんからアドバイスはもらいましたか?
「特にアドバイスはありませんでした。『頑張ってね』くらいで。あまりプレッシャーを与えたくなかったのだと思うのですが、逆にそれがちょっとプレッシャーでした(笑)。でもショーに出ていたそのほかのモデルさんたちが、色々教えてくれました」

――怒られたりすることはあるんですか?
「全然! いつも優しくて、淡々としています。励まされることのほうが多かったですね。亡くなる前も、私たちがママ森を励ましたいのに、いつもママ森が家族を励ます形になっちゃうんです。帰り道はみんなで『また励まされちゃったね』とよく話していました」

――一番リスペクトしているところは?
「女性としてパーフェクトな人でした。最前線で仕事をしているのに、家庭のこともおざなりにはしない。不平不満も言わず、まわりへの配慮も細やか。何より常にキラキラ輝いていて。ママ(森パメラさん)もそうだったし、小さい頃からそういう女性たちが身近にいたので、ありがたいと思っています。私自身が子どもを産んでからは、よりその大変さを実感しています。
あとは仕事に対するプロ意識。人間なので、感情的な面が出てきてもおかしくないのに、そういった場面は一度も見たことがなくて、常に行動も言動も一貫していた。そこがすごいと思います」



――女性としても、仕事をする上でも影響が大きい人だったんですね。
「本当にそうですね。『人は一人では何もできない』ということも、ママ森に教えてもらいました。まわりの人たちがいるからいろんなことを成し得ているんだ、ということをよく言われていました。そういった感謝をどんな時でも忘れない人でした」

――今、英恵さんに何か言葉をかけるとしたら?
「う〜ん、きっと何を言っても結局励まされちゃうだろうから、特にないかも(笑)。『元気? いつも見てるよ〜』って。本当に、いつも見てくれている気がします。ママ森はいつでも近くにいる感じがする。心強い存在です」

PROFILE
森泉
Izumi Mori

19歳でモデルとして芸能活動をスタート。ファッション誌で活躍する他、その飾らない姿がテレビ番組でも支持されブレイク。大の動物好きで、たくさんの動物たちと暮らしている。

 
モデル/森泉
撮影/中田陽子(MAETTICO) 
ヘア&メイク/平元 敬一
スタイリング/三浦光博
取材・文/竹尾園美
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