今年2025年の待降節(アドベント)は、11月30日(日)から12月24日(水)までのおよそ4週間。
クリスマスまで、イエス・キリストの降誕を静かに待ち望むこの期間は、慌ただしい日々の中で少し立ち止まり、心を整えるひとときでもあります。

お子様のいるご家庭では、アドベントカレンダーを開きながら、毎日小さなメッセージやギフトを楽しみ、クリスマスまでのカウントダウンを過ごす方もいらっしゃいます。
慈善活動に参加したり、周囲の人に思いやりを向けたりと、温かな心が循環する季節でもあります。

私は毎年、クリスマスが近づくとシャンパーニュとお花を組み合わせたクリスマスギフトを贈っているのですが、今年は11月に訪れたフランス・バスク地方でお土産に買ったバスクチョコレートを、せっかくならと箱に入れ、お花を添えてクリスマスプレゼントに仕立てました。
今年のクリスマスパーティーでは、パリで購入したオレンジ色のリネンに合わせ、オレンジ・赤・茶色・ゴールドを基調にした花と一緒にテーブルコーディネートをする予定!
そのため、プレゼントに添えるお花もオレンジ色に致しました。
アドベントは単なるカウントダウンではなく、家族や友人とのつながりを深め、愛をもって贈り物を交わす大切な時間です。お花やカードなど “心に寄り添う思いやり” を添えることで、クリスマスの本来の意味がより一層感じられることでしょう。

贈り物の習慣は古代ローマの「サトゥルナリア祭」に由来するといわれ、キリスト教が広がるにつれて、東方の三博士が幼子イエスに捧げた贈り物(黄金・乳香・没薬)と結びつき、今日のクリスマスギフトの伝統へと育まれてきました。
クリスマスプレゼントに優しさと彩りを添える花としては、華やかなポインセチアが挙げられます。花言葉は「祝福する」「幸運を祈る」と、まさにクリスマスにふさわしい意味を持っています。

また、クリスマスカラーである赤は情熱や愛を象徴する色。バラやガーベラなど赤を基調とした花は、心温まる贈り物としてよく合います。深い緑の葉と赤い実が印象的なヒイラギは、古くから魔除けとして親しまれてきた植物で、クリスマスらしい雰囲気を演出してくれます。

もちろん、こうした定番の花だけでなく、お相手の好きなお花や、ご自身のお気に入りの花を選ぶのも素敵ですね。

ぜひ、日々の忙しさの中でも季節の花を飾り、喜びを分かち合う、心あたたまるクリスマスシーズンをお過ごしください。

鬼頭郁子
旬を取り入れた花とテーブルの教室は主婦からプロまで幅広く支持され、全国から生徒が通う。
サロン主宰やスペシャリストを目指す方も多く、多数の教室主宰者を輩出、その育成にも力を入れる。
トップブランドのコーディネートやプロモーションに関わるなど、多くの企業の花や食文化に関するセミナーをおこなっている。
著書「上質な暮らしの提案-アールドヴィーヴルを楽しむ10のアプローチ」(講談社)他多数。
銀座にてリモージュ磁器「アビランド」日本公式販売店 http://musee.co.jp/
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