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〈Mori Family’s Letter 〉森ファミリーが語る、新しい時代に私たちはどう生きればいいのか
FEATURE
〈Mori Family’s Letter 〉森ファミリーが語る、新しい時代に私たちはどう生きればいいのか
2020.08.26

HANAE MORIファッションデザイナーである森英恵氏の長男の妻・パメラさん、その息子の勉(べん)さん、娘の森泉さんの3人によるスペシャル対談。パメラさんはファッション誌のライフスタイル特集に登場したり、勉さんは世界的に活躍するアーティスト、泉さんはモデルやタレントとして幅広く活動。それぞれの場所で活躍しながらエネルギッシュでハッピーなオーラを放つ森ファミリー。新型コロナウィルスの影響で否応なしにライフスタイルやカルチャーシーンも変化させられた今、日々どう向き合って、どんな心の持ち方で暮らしているのかをテーマに語っていただきました。

森家はみんな、ポジティブ精神の持ち主

 

森勉さん(以下勉):自粛中も、家族とはオンラインで話したりしてたよね。

 

森パメラさん(以下パメラ):現代はオンラインで話せるから、アメリカに住んでいる雪(次女)とも直接話せるし、それはありがたい時代ね。昔なんて手紙しかなかったもの。本来は温かみを感じられないからAIのような進化は人間的じゃなくてあまり好きじゃないけど(笑)。

 

森泉さん(以下泉):近くにいなくても家族と友達とはネットで繋がれるから安心なのは確か。もしデジタル社会じゃなかったら、完全に人間関係がクローズしちゃうよね。人と話さなくなってより精神的に落ちちゃうかも。

 

パメラ:今はいろいろ大変だけど、あまりネガティブにならないで、ポジティブなマインドを持つようにしてる。ニュースを観て情報を得るのはいいけれど、あんまり恐怖におびえたり、不安になりすぎるのはあまりよくない。




勉:ニュースを客観的にとらえるならばいいけど、それで不安になってばかりじゃ自分がダウンしちゃうよね。

 

泉:ママはもとからポジティブ志向。その影響で私たちもマイナスじゃなくてプラスのほうに考えるクセはついているかも。

 

勉:それはあるよね。いかにポジティブでいるか、ということはずっとある。「人の悪口を言わない」とかもね。そのぶん、みんな気も強いけどね(笑)。

 

泉:そうかもね(笑)。

 

パメラ:怒ることもあるし感情的になることだってあるの。でもすぐ忘れちゃう(笑)。あんまりネガティブなことばかり考えると、それは現実化されちゃうと思っていて。だからね、常に前向きにすることは意識してる。

 

勉:お母さんは10代で日本に来て仕事もして、結婚して子どもを5人も育てたから、そういう考え方じゃないとやっていけないという部分もあったかもしれないよね。





泉:日本の生活も長いから、日本人らしい忍耐強いところもあるし、アメリカと日本、両方入った性格してる。

 

パメラ:子どもたちを育てている間はもちろん大変なこともあったけど、とにかく必死で考える余裕もなかったからね。子どもたちも独立して、今は当時に比べると本当に楽ちん! “左うちわ”です(笑)。

 

勉:でもそういうポジティブマインドは、森家にとって今とても役に立ってるかもしれないね。

 

泉:うんうん。本当にそうだね。

 

こんな時だからこそ、新しいことにチャレンジ!

パメラ: みんなもともと土いじりとか植物や動物とか、ネイチャーなことが好きだから、家にいる時間もいろいろ挑戦できたんじゃない?

 

泉:私は飼っているワンちゃんのトリミングを初めて自分でしたの!

 

パメラ:わお〜! すごいわね。

 

泉:バリカンとトリミング台を購入して、YouTube観ながらいろんな髪型にチャレンジしてみたり。そういう意味では、ペットと過ごせる時間は増えたかな。大変な中でもそんなちょっとしたことに喜びを感じられる、いい機会ではあったかも。





パメラ:私ももともとハーブを庭で育てているんだけど、新しいハーブを植えてみたりね。この間、コンポストにアボカドの種を植えたら、ぐんぐん伸びてびっくり!

 

泉:でも今回のコロナで、家族やペット、自然の大切さを改めて気づかされたと思う。

 

パメラ:自分の体もそうですが、「自然を守らないと!」という意識は増えたかもしれない。






勉:いろんなことが変わったよね。仕事の仕方もそうだし、ライフスタイルや意識も……。自分も10年間くらいサボってたけどちゃんと体を鍛え始めたし。

 

パメラ:そういえばちょっと引き締まったわね。

勉:まだ一カ月くらいだけどね(笑)。自分の体を見直すきっかけにはなったよ。やっぱり健康でいなければならないし、そのためにはちゃんと体を動かさないと、と思って。

 

泉:趣味が増えた人もたくさんいるだろうね。今まで興味はあったけどできなかったこととかにチャレンジする時間にはなったのかも。

 

勉:僕はもともと、家と(絵を描くための)スタジオを往復する毎日だったし、電車通勤でもなかったから生活サイクル自体はそんなに大きく変わってないかな。でも、夜に外出する機会も減ったし、より絵を描くことに集中できたよ。

 

パメラ:それはよかったじゃない!

 

勉:そう。好きなカラオケにも行けないし(笑)。夜に絵を描く時間がそのぶん増えたのは、ベターなことだったね。

アートもファッション界も、変化=新しくなる予感

勉:でも、今年3月と5月に予定していた展示がキャンセルになっちゃって、アート業界には変化があった。今はオンラインギャラリーが増えてきて、それを見て購入する人も増えてきてるよ。もちろん、アートは生で見てもらうのが一番なんだけど、こんな世の中だし、これからの時代アートもSNSがもっと重要になってくるんじゃないかな。

 

泉:おうちにいる時間も多いし、絵を部屋に飾ることは気分転換にもなるし、必要なものだよね。

勉:そうそう。旅行にも行けないし、外食にもあんまり行けないわけだから、自分の家をデコレーションすることを楽しむといいと思う。部屋全体の色のトーンを大体決めて、それにマッチする絵を飾るといいですよ。絵を飾るだけで、部屋の雰囲気ってガラッと変わるしね。プリントでもいいけど、やっぱり原画がおすすめ。

パメラ:外で楽しめないなら、身の回りの環境をなんとかしないとね。

泉:こういう時だからこそ、カルチャーやアートって新しいものって生まれそう。たとえばSNSで映える絵とか! 今は考えづらいかもだけど、落ち着いた頃に、「実は新しい文化が生まれていた」なんて気づくことがあるかもしれないね。




パメラ:自分のファッションも変わるよね。ZOOMで話すだけだからトップスだけでも派手にしよう、とかね!

 

泉:でも、今までファッションに苦手意識があった人や興味がなかった人も、コーディネートを考えずに済むし、トップスだけで遊んだりできるから、それはそれで新しい楽しみ方かもしれない。人って色を見るとハッピーな気持ちになるっていうし、自分のために楽しめばいいんだと思う。

 

勉:そうだね。アートでもファッションでも、今の状況の中で楽しめることを自分で見つけていけるいいよね。







泉:それで新しい発見があったり、今までやれなかったことにチャレンジしたことで自信に繋がるかもしれないし。これから何が起こるかわからないし、落ち込むこともあるかもしれない。そんな時は家族や友人と、お互いを励ましつつ、声をかけたりしていけたらいいね。

 

パメラ:そしてみなさんしそやミントをぜひ植えましょう。とても癒されますよ!

 

勉:それはちょっとニッチすぎるアドバイスだなぁ(笑)。

 

パメラ:(笑)。とにかく大変なときこそ良いイメージだけは持って、たくましく生きましょうね!










(PROFILE)

●Pamela Mori

  森パメラ

アメリカ・カリフォルニア州生まれ。1975年(17歳)のときにショーに出演するために来日。20歳で森顯(あきら)氏と結婚し、5人の母に。
<<着用商品>>
サテンのブラウス 37,400円(税込) 
パピヨンシフォンのプリーツスカート 53,900円(税込)
パピヨンのスカーフ 22,000円(税込)

 

●Ben Mori

森勉

ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン、グラフィック学科卒業後、アーティストとしての活動を開始。国内外アートフェアにも数多く参加している。

 

●Izumi Mori

森泉

19歳でもモデルとして芸能活動をスタート。ファッション誌で活躍する他、その飾らない姿がテレビ番組でも支持されブレイク。大の動物好きで、21種類30匹のペットと暮らしている。
<<着用商品>>
パピヨンのカシミアニット 83,600円(税込)
ラムレザーのハーフパンツ 198,000円(税込) 
※ヌーベルクチュール限定商品

 

 

Photo:中田陽子〈MAETTICO〉 Hair & Make-up(森泉さん):林カツヨシ Text:Sonomi Takeo

 




 






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