秋が日を増すごとに深まっていきます。郷愁を誘うこの季節は、ホッと心を癒すような暖かな色合いと、優しい花姿が溢れます。
嫋やかで過ごしやすい時節柄、結婚、開店、お披露目会、引っ越など…お祝い事や集いも多くなることかと思います。
そのような場をより華やかにして、人に素敵な微笑みを与えてくれるこの秋おすすめの花たちをご紹介しましょう。
秋といえば秋バラ。年に一度だけ開花する「一季咲き」のバラとは違い、この「四季咲き」のバラは、一年のうち、春も秋も花を咲かせます。
春は比較的大きく、花びらのボリューム感があるのに対し、暑い夏が過ぎ、気温が下がり始めた頃に、小さな蕾を徐々に膨らませていく秋バラは、
大きさは小ぶりですが、花色がぐっと濃度を増し、花が開く速度がゆっくりで、長く、そして美しく楽しめます。
また、秋は果物や実物がたくさん出回ります。ブドウや栗などの豊穣の実りを花と組み合わせて、テーブルにさり気なく飾っても趣が生まれます。
ハロウィンやクリスマスが近づくにつれ、ローズヒップ、カラタチバナ、南天、柊などの赤い実や、ブローディア、バーゼリアなどの沢山の実物が花屋さんを彩ります。
深みを増す秋の花と組み合わせてみました。
まだ、あまり知られていないのですが、キラキラ光輝くような咲き姿が美しいこの季節におすすめの花をご紹介しましょう。
松ぼっくりのアレンジと合わせた花はダイヤモンドリリー(ネリネ)。
花色は、赤、ピンク、うす紫、白などがあり、キラキラとした花火のような花びらはとても神秘的です。
特に白のダイヤモンド・リリーはウェディング装花としても注目されている花です。
ダイヤモンドリリーは一般的にはネリネと呼ばれています。秋になると野で見かけるヒガンバナによく似ていることから、間違われやすいのですが違う花です。
このネリネの名前の由来は、ギリシャ神話に登場するネレイデスから由来しています。
ネレイデスとは、ギリシア神話に登場する海に棲む女神たちの総称で、ポセイドーンの妻であるアムピトリーテー、トロイア戦争の英雄アキレウスの母テティス、アイアコスの妻プサマテーなど、誰もが光り輝くような美女だったようです。
ダイアモンドリリー(ネリネ)は、なかなか花屋さんで見かけることは少ないのですが、これからは、その美しさと神秘性の高さで人気の花になるのではないでしょうか。
みなさんも、ぜひ、注目してみてくださいね。
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